ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する (Harvard business school press)

ブルー・オーシャン戦略   W・チャン・キム レネ・モボルニュ 有賀裕子訳

本書初版は2005年。おそらくこのころから書店で平積みされる流行りの経営書を読まなくなった。理由は国内マーケットに適しているかの検分がなされていないこと、内容が軽いことが多いこと、流行的であることなどからである。記憶に残らず時間の無駄だったように感じることが多かった。本書は知人のコンサルタント・大学講師がwebで推薦図書として上げていたので拝読した。結論は勉強になる一冊。☆5つというところか。

ブルー・オーシャン戦略とは“競争の無い市場空間を生み出し競争を無意味にする戦略”である。“レッド・オーシャン”はこの反対を指し血みどろの闘いを指す。価格競争などがこの最たるものだろう。
レッド・オーシャンで揉まれながらなんとか活路を見出そうとしている企業が大半ではないだろうか。周囲を見回すと売上や収益が安定的に成長をしている企業は、コア・コンピタンスがしっかりし、“代替えが不可能”存在となっている。しかしそれでも限界がある。こうした企業にはブルー・オーシャン戦略が効くと考察する。

「ブルー・オーシャンを切り開こうとして成功する企業と失敗する企業。この両者をわけるのは、いるでも戦略へのアウローチである。レッド・オーシャンから抜け出せない企業は、旧来のアプローチに頼って、既存業界の枠組みの中で確かな地位を築くことで競合に打ち勝とうとする。ところが意外にもブルー・オーシャンを切り開いた企業は、競合とのベンチマーキングを行わずそのかわりに従来とは違うロジックに従っていた。ここではそれをバリュー・イノベーションと呼ぶ。…買い手や自社に取っての価値を大幅に高め、競争のない未知に市場空間を開拓することによって、競争を無意味にするからだ」

バリュー・イノベーションは代替えを不可能とする。要素はコア・コンピタンスである。コア・コンピタンスを転換させ、既存事業の改革・革新することでマーケット・セグメントの拡大や転換を図るということになる。自己の文脈に落とせばまず自社の価値となにかの棚卸がはじめの一歩というところか。そのうえでマーケット周辺を拡張し俯瞰して考察する、それが実践的手法になるのかと思う。

 本書は理論・モデル・実践について論じられている。折をみて研究ノートに書き加えたい一冊なのである。

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