HBR 2010/11     戦略の実行力

On 2011年5月17日, in 書評, 経営戦略, by admin

Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー) 2010年 11月号 [雑誌]

ストーリーによる戦略構築のすすめ  マイケルG. ジャコバイス

 最近ストーリーによる競争戦略を始めとし、ストーリー・ラインの構築が経営戦略には必要だという論調が多い。こうした論調が自社に一致するか否かは見極める必要がある。その理由は“流行”で終わる可能性があるからだ。しかしストーリー戦略は5フォースモデルやシナリオプランニングを作成する上でも将来環境を考察するうえで役に立つのではないかと考える。言ってみれば大前提 小前提 結論といった【論理推計】を精緻に描くということに繋がる。本書はこうしたことをさまざまな業界事例を元に紹介してくれる。

 自分の考えを纏めるためにも、ストーリーによる戦略構築をもう少し詳しく説明したい。
著者はその必要性を「業界で価値を創出し、確保している全プレーヤーについて、それぞれ潜在的に横たわるロジックやストーリー・ライン意思決定、そして目的を解き明かす必要がある」と述べている。すべてのプレーヤーやステークホルダーに関して行うその理由は、ビジネス環境は絶えず変化していることにある。【乱気流】というメタファーを言い当てている。確かに的を射た言葉である。

ストーリーは言葉で言い表す。「すべてが変わりゆく世界では、その変化をもたらす各組織の目的や役割、事業のルールや関係性の展開、そして現在と未来を結ぶストーリー・ライン言葉から読みとくと良い」と述べる。行間や背景を創造することによって変化に対応する、またストーリーを加筆修正するということになるのだろう。「好不況がいつまで続くか、価値がどのように変化するかと言った感覚を台本に持ち込めば、自社の戦略の妥当性を絶えず評価できる」と著者は語っている。

当然のことながら「ストーリー・ライン」だけで経営戦略が良いわけではない。あくまでも企業が競争環境を乗りきるための助けに過ぎない。「分析やアクションを後押しする一種のツール」と著者は述べる。

 マイクロビジネスの場合自社の発展過程をこうしたストーリー・ラインによって描くことは望ましいように感じる。決してロジカル・シンキングを否定するものではないが、マイクロビジネスはあまりにも変数が多すぎる。よって変化を想定創造することわ重要であると考える。

 

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>