気づく人、気づかぬ人―“人材育成の超プロ”が書いた

著者佐藤英郎氏は、アチーブメント㈱で研修トレーナーを務めている。研修内容は個人向けの自己改革研修やリーダーシップなどの企業研修である。何度か著者の講演を聞いたことがあるが、説得力のある地に足がついた内容だった。著者は本書の中で「…研修の基本は“気づき”がなければ人の行動は変わらない」と述べている。それは「自分自身の現状と“どうなりたいのか”に対する深い“気づき”」だと言う。

わたし自身は、こうして自己啓発本を読むたびに新たな気づきを得る。毎日の生活なかで少しでも“成長したい”と考えるものの遅々として進まない。人生には限りがありこのペースでは…..と考えてしまう。プラン通りに進まないことから苛立ちを覚えることもある。こうしたことは可能にするのが自己変革なのだと思う。自己変革について著者は次のように述べている。

『自己変革や成功にとって重要なのは、実は、当たり前のことを当たり前にやることとして、しっかりやっていくことであると気づいたのです。大切なのは足元なのです。どれだけ高邁な理想や理論を掲げても、自分の足元がしっかり固まっていなければ、成功はおぼつきません。たまたま成功しても砂上の楼閣のように見せかけだけのものでしかないのです』

自己成長は単純で難しく“当たり前のことを愚直に実行すること”の他ないというのが著者の考え方だ。やはりこれには共感せざるお得ない。SNSで人の行動がわかるようになった。成功者や尊敬する人物が如何に行動的であり努力をしているかがリアルにわかる。それと自分とを比較すれば成長のハードルを超えられないことに納得せざるお得ない。こうした友人がいることに感謝の気持ちを持つことは当たり前のスタートと言える。

“小さな行動を持続的に摘み上げること”これができればすべてのことができるのだと著者は述べている。実際のこれは難しい。アチーブメントにはこうしことを管理する手帳がある。自分を振り返ると出来ていないことが多い。目標達成は結局とのところひとつひとつの積上げである。そのための手順、方法が分かっていても中々積み上がらない。苛立ちを覚えつつも持続的途切れることなく重ねるしかない。著者は『ごく当たり前のことを、継続して徹底してやっていくことが、足元を固めるといことだ』と述べている。根を張る、地に足を付ける、揺らがない自己を確立するには“日々当たり前の実践”をすることが重要なのだと痛感した一冊だった。

 

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