図で考える人は仕事ができる

本書は図解については原理を論じた一冊である。
思考法にはいろいろとある。Webでアイデアツールを調べると数多く目にすることができる。本書は著者が“図で考える”思考法が如何に有効であるかを論じた一冊と言える。
考察を深めるときに図に落とすことは日常的に行っている。それは仕事や読書とさまざまである。特に新聞を読みながら紙面に書きこむことは日常化していると言っても良い。いまひとつ納得感を得られないときは、図解で整理し理解するように務めている。またミーティングなどでホワイトボードに図解することも良くある。たいていはグラフなどであるが全体を概観するのに如何に有効であるかを本書から教えられた。

コミュニケーションツールとしての図解

 全体概観を超越しコミュニケーションツールとしての有効性を著者は次のように述べている。『図解によるコミュニケーションの特徴は、図を囲んで話し合うことで相手の頭を刺激し、想像力をかき立て、こちらの企画に参加してもらえることです。図解を使うと相手も「企画の根幹に参加することができた」という実感を持つことができ、話し合いの内容も深く記憶に残ります。….文章によりコミュニケーションを「説得の技術」とすれば図解コミュニケーションは「納得の技術」ということができるでしょう』と述べている。

 会議などで全体の強い関心を抱かせ、意見を求めることは意外と難しい。そこには知識のギャップや価値観の違いがあるからだ。こうしたことは“肝”となる部分が“腹に落ちない”現象がおきる。そうなると会議の価値はない。中小企業では特に良くあることだ。有効な会議ためには、理解を深めること必要となる。

理解力を深める

 理解について著者は次のように述べている。
『….自己表現力の基礎として読む、考える、書くのを教えていますが(学校では)、社会人として必要なのもこの三つです。人の話を聞いたり本が読める「理解する力」新しいことを考え出す「企画する力」、そして相手に合わせて情報を「伝達する力」があれば、仕事をこなすことができます….教養があれば一つのことを効いても色々な情報を連想して深く理解することができますし、企画の歳も知識の引出しが多いとうことです』

図解で説明することは相手の理解を得やすい。さらに自分自身の理解力向上にも役立つ。結果として教養が増し多様な考えを創出することが可能となる。実際の図解は意外と難しい。また頭も疲れる。しかし“質”が高まることは間違いない。一読の価値ある一冊である。

 

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>