Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー) 2011年 04月号 [雑誌]
『ネットワークよりリレーションシップ』
<フランス企業に学ぶ優良顧客との関係構築方>
マーケティングプランを考察するうえでSNSを外すことは些か難しい。それは企業側以外の情報発信を顧客が求めていることに一因があると考える。しかしリレーションやOne to Oneマーケティングを軽視して良いことにはならない。それ以上に強めるべきだというのが私の考えである。その仮説を検証する一環としてCRMやリレーションシップなどを過日から読み込んでいる。
本稿執筆者であるラリー・クレイマーは次のように論じている。
『多くの企業がソーシャル・ネットワキング戦略の策定に大金を投じ始めるなか、一部の仏企業が採っているアプローチは常識を覆すものである。大人数ではなく少人数の人たちと深く関わることにより、収益を伸ばしているのだ。….いずれもSNSの友達の数に神経を尖らせている企業とは対照的だ』
このように紹介したうえで成功事例を示している。こうした議論の難しさはどちらか一方が正ではないということである。Webマーケティングが覗いたマーケティング戦略などあろうはずはない。しかしSNSを軸でなく補完関係に位置させるのも一考ではないか。
本書によると『SNSを利用するヨーロッパの人のうち、過去何回か訪れたサイトのブランド、製品、企業のファンになった=13%』『SNSを利用するヨーロッパ人のうち友だちがオンラインで接しているブランドや企業のほうが高く評価できる=8%』という調査結果が示されている。また『賢明なフランス企業は、ローテクの手段を使って顧客と会話することで、本当の双方向コミュニケーションを実現している』とも述べている。
“EUの特殊性”という割引率が必要か否かは知る由もない。しかし実務的・実践的に考えると第一にFace to Face やローテクの活用によるマーケティング戦略構築すべきだと考える。その理由はSNSが取り沙汰されるのは“コミュニケーション”を人が求めているからである。“絆”と言い換えても良いのかもしれない。絆をSNSが太くするということが望ましのではないかと考える。
未だ端緒にすぎないが考察を深めて行きたい。