バイラル・ループ あっという間の急成長にはワケがある

VIRAL LOOP というとインフルエンザが流行るようなイメージがある。もちろん本書で述べられるのは VIRAL Marketing に関してある。まず本書でのバイラル・ループ定義について明らかにしたい。「バイラル・ループというのは、インターネット状でブログやツイッター、ユーチューブなどのメディアを経由して、情報がウィルスのように伝播していく現象のことだ」本書はこうしたバイラル・ループのケースを取り上げた一冊なのである。

VIRAL LOOPはハズ・マーケティングのデジタル化と解釈している。最近は“選挙”にも影響を及ぼしている。本書事例紹介のオバマ大統領の政治献金などすさまじさを感じる。しかしハズ・マーケティング=口コミマーケティングは別段新しい手法でもの何でもない。旧来手法のひとつとしてタッパウエアーの解説を紹介したい。

「…彼は非常に口がうまい人物だった。化粧品の訪問販売で知られるエイボン社などで、バイラル戦略を40年近くにわたって実践してきた経験を持ち顧客啓発が必要な商品は、ダイレクト販売に限ると信じていた。もしジーンズを売るなら、ダイレクト販売の必要はあまりない。ジーンズとはどんな製品でどんな用途なのか、誰でも知っている。しかし目新しい商品(たとえば、食べてみないとおいしさがわからない商品)を扱うとなったら、ダイレクト販売が最もふさわしい戦略だろう。ゴーイングスは、友人(friend) 隣人(neighbors)親戚(relatives)を“FNR”と名づけて重視したFNRはさらに別のFNRを呼び寄せてくれる。「知り合いのお勧めの一品」となればおのずと商品の信頼度が上がる。FNRは、れっきとしたマーケティング戦略なのだ」

SNSはゆるやかなFNRである。“はてな”やカカクコムなどの批評もこの部類に入るのだろう。アマゾンのレコメンデーションもその広い意味で含まれるのかも知れない。店員と対話の上で購入するリアルショプは“店の利益”が付いて回る。しかしバイラルはそうした目的を持っていない。百貨店売上高は10年下落の一途である。こうしたことが遠因とも考えられる。

ツイッターの加入者は震災の影響から増加スピードが高まっている。フェィスブックも同様だろう。ここまで着目されるのは“情報の量と質”に深い関係問題があると感じている。またフェィスブックの“いいね”を始めとした人から承認されることの喜びとも関係性が深いように思う。

バイラル・マーケティングが新しい展開を迎えていることは間違いない。

 

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