ONE to ONEマーケティング―顧客リレーションシップ戦略

1995年初版になるのでずいぶんと古いマーケティング書となる。当時ひざを打つような気持ちで本書を読んだ。95年は“ウィンドウズ95”が日本でも売られた年である。以降PCは急激に身近となる。これをさかいに社会環境が変わる。

環境の変化に流されない理論

16年を経過する本書のコンセプトはセピア色ではない。その理由はいつの時代でも顧客はOne to Oneであって欲しいからである。本書は次のように教示してくれる。

「八百屋の商売は、店主と顧客の人間関係と、好みや家族構成といった一人一人の顧客について情報の上に成り立っていた。そして、それらの情報をもとにして、それぞれの顧客の注文に応じ売上を伸ばし、移り変わるニーズを満たすためにサービスや商品を変えていったのである。今から考えると、この前近代的なシステムは、顧客一人一人に気を配り、世話をするという意味では、正真正銘のリレーションシップ・マーケターだった。彼らは、常に適切な顧客満足度プログラムを用意し、独自の顧客維持システムの管理をおこたらなかった。まさにこれは一人一人の情報や知識に基づいて、顧客を個別に扱う、一種の「データベース・マーケティング」である」

こうした視点は他でも多分に見られる。飲食などの個人店だけではない。信用組合のような地域密着型の金融もそうであった。しかし変化したのは企業側だけではないのか。急激に変化したITC社会は企業の社内システムを変えた。企業間取引も変化させた。個人、法人を問わずエンドユーザーと接する“面”だけはリレーションシップ・マーケティングが求められるのではないだろうか。 

戦術の構築

ただし“Face to face は歓迎しない”クラスターの存在が多いことも実感できる。ここでよって接点の持ち方も一律ではない。こうしたことを解決するがCRMである。顧客DBを超えた分析により接し方も考察することができる。データの積重ねと個人の経験が“質の高いサービス”を可能にするのである。

振り返ってリレーションマーケティング、CRMと読みあさっているが今少し論理をつめたい。しかし求めることの輪郭は見えてきたように思う。

 

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