アドボカシー・マーケティング 顧客主導の時代に信頼される企業 (ウォートン経営戦略シリーズ)

あまり聞きなれない言葉なので、Advocacy marketing について説明したほうが良いかと思う。

本書では「advocacyとは ,支援、擁護、代弁などの意味を持つ。顧客との長期的な信頼関係を築くため顧客を支援する。自社の利益追求や、短期的なメリットの提供はニの次にして、「顧客にとっての最善」を徹底的に追求する。顧客の利益や満足度を最大化するためなら一時的に自社の利益に反することでも行う。自社製品より優れた他社製品があるなら、素直に他社製品の購入を進める」とある。

最近マーケティング、経営戦略に関する本を連続して読んでいる。その理由は今後のマーケティングを軸とした方向性を再構築することが目的である。戦略論やマーケティング論は言葉遊びのように新たな軸ができては消える。
明らかなのは商品構成から販売戦略までITCを除外することはできない。特に集客ということにおいては必要不可欠であろう。SNSもwebマーケティングの一部となりつつある。SEMを成立させるにはコストとのバランスが難しくなりつつある。これは現実である。

そうした中で言葉遊びに振り回されず本質を掴んだ経営戦略を構築しなければならない。本書はその一端にあるのではと思っている。本書は管理会計の教授に以前進められた。また数多くの参考文献でも取上げられている。いつもながら大手企業のケースが紹介されている。しかし“アドボカシー”の上記解説を見ても理解頂けるように“規模”が問われるマーケティング戦略ではないのだ。ここに着目をしたい。

価格競争という体力勝負に中小が最終勝者となることは概ね困難である。また勝ったとしてもそこには何も無い。またこうしたコモディティ化した商品は効率性がすべてである。ここにも中小は弱点がある。勝者の条件はこうしたセグメントでは戦わないことである。アスクルと文具店の関係を見れば明らかだ。商品やサービスに多少なりともオリジナリティを付加させられることが求められるのである。

こうしたことを現場の文脈に落とすと、CRMを連想しそうな雰囲気がある。本書はで
CRMとの関係を明らかにしているので是非ご一読頂きたい。しかし中小の文脈ではこの概念を理解したうえでCRMを実行することが実践的ではないかと考えるのである。個対個の関係性というであるが、実際は個対多である。共通項を見出しマーケティングに落としこむのがCRMである。この関係の発展形本論を派生できないかと考えた。中小ではCRMによる信頼がアドボカシー構築に大いなる貢献を示すのではないだろうか。
そう感じたことからCRMの参考文献を5冊購入した。今後、研究ノートを作成する予定である。

 

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