本稿を論じる前に東日本大震災における被災者の方々に心よりお見舞い申し上げます。厳しい日が続きます。一日も早い復興を心より願っております。

本書は3月12日、地震翌日購入した。国家債務の問題は今後の発展に暗い影を落としている。この問題の解決または解決への展望が見えない限り国家の発展はないと考えている。この震災で莫大な復興資金が必要になるのは明らかである。阪神大震災における補正予算は3.4兆円である。広域性、津波、原発などを掛けあわせれば数倍で収まるとはとても考えづらい。仮に10倍の34兆が必要となった場合果たして国家はその使命を果たせるのだろうか。果たすとは償還を含めてのことである。

当然のことながら即刻補正を組む必要がある。本予算が通る以前に補正とは如何なものかと思うが関連法案が通過しない以上補正となり国債増発となる。しかしこの後に及んで子ども手当、高校無償化などと併せて野党に打診をしたとのことである。マニュフェストの順守。政党や一部の国民に取っては重要なことなのだろう。しかし国家としてのプライオリティとは何か。安心と安全とは何か。その考察の深さは見えない。

いまの民主党から“言霊”は響いてこない。竹島問題の土肥氏は離党をした。当然のことである。現場では自衛隊が最も頼りになる存在の一つであるに間違いない。“暴力装置”と発言した前官房長官はどのようにこの光景を見ているのだろう。被災者を救うため世界の国々が協力をしてくれている。その一つにアメリカ軍があげられる。前首相数々の発言。無責任とさえ感じてならない。佐々淳行氏は【震災危機を管理危機にするな】(2011/03/16 産経)と論じる。オーストラリアのメディアは「日本の報道は信用できるのか」(2011/03/16日経)と報じた。これらは言霊の不在、ペーパーの読上げから起きていることではないのか。

言霊の欠如と無責任。自己の文脈に置き換えれば会社存亡の危機となる。国家に主権者は国民であることは間違いではない。国家債務は主権者の債務なのだ。こうした視点を本書は教示してくれる。900兆を超える債務償還はいまの状況ではとても困難だろう。国内に預貯金が国債投資に回る。金融は商品開発を安全な投資先がある。よって企業に商品提案はない。この循環は金融能力の低下を及ぼす。エリートが銀行に就職しないということを聞いた。その理由の一旦かも知れない。

次回は本書に入って行きたい。

 

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