中国を拒否できない日本 (ちくま新書)

本書から見えてる中国はこれが”国家戦略”かと思わせる。構成は事実に対して著者の考えが論じられている。昨日ロシアの北方領土に対する新たな対応が明らかになった。北方領土に中国、韓国と共同出資で水産会社を設立するとのことである。追加的実効支配だ。産経新聞(2/16)によればロシアは過去10年間で防衛費が8倍。北方領土は米国にとってはロシアの原潜から直接ワシントンが核攻撃の脅威を受ける地域だという。
なぜ尖閣、北方領土と問題が急激に沸点を超えたのか。ひとつには鳩山首相の言動だろう。もうひとつは外務省を無視した中国大使の決定だろう。ある雑誌によればチャイナスクールと官邸の対立は激しく情報が満足に得られていないとのことである。
ビジョンのもとで足元と長期的視点示す。政治はこの連立方程式を解かなければならない。しかし政治はそのように動いているとはまったく思えない。本書は長期視座のもとつぎのように述べている。

「私たち日本次は、もう現実を直視しなければならない。…現行憲法の下では、日米同盟の維持、強化は必要不可欠な国策である。日米同盟が同様するのは日米の離間を狙う中国を利するのみである。あくまでそれを大前提としながらも、なおかつ私たち日本人は、日米同盟の限界も冷徹に見極めつつ、国家の危機に対する備えを自ら準備しなければならないはずである。….尖閣諸島を巡る中国漁船衝突事件の顛末は、日本が期待するほど米国が日本防衛に最優先で取り組んでくれるわけではないこと、日本はいよいよ自立を模索しなければ国家として立ちゆかないところまできていることを私たち日本人に気づかせてくれた」

こうした発言にはさまざまな意見があると思う。難しい問題だと痛感する。自らの考えを纏めるにはあまりにも浅博だ。しかしこうしことを“世界から突付られ”答えをださなければならない。問題の先延ばしは状況を悪化させるだけである。

問題意識を持たせる一冊であった。

 

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