山行日誌   硫黄岳 (2)

On 2011年2月12日, in life Style, by admin

朝食は午前6時半。事前にあらかた用意を済ませ7時出立を予定していた。途中夜中に幾度も目が覚める。こうしたことも慣れたもの。あまり気にもせずひたすら目を瞑る。せっかくだから何か考えるかと思い雑感に浸る。だが結論はでず同じようなことを考え続ける。そうこうしていると頻繁にトイレに人が立つようになる。

そうこうしていると時は【夜明け前】となる。

 我々もパッキングなど行動開始である。準備を整え食堂に向かう。すでに食事を取っているグループなどもいる。メニューは ごはん 焼き魚 温泉玉子 サラダ フルーツ 梅干し 焼きのり みそ汁である。味噌汁と
ご飯はおかわり可能。大量に炊くことからかご飯は上手い。自己判断は二日酔いではない。しかしお茶を繰り返し飲む。判定は誤りだったのかも知れない。そしてそれはまもなく証明される。

 そうそうに準備を済ませアイゼン装着し、ピッケル片手に出立である。ピッケルが飾りであることを願う。
樹林帯を約2時間登り稜線へでる。秋にも今回稜線入口となる赤岩の頭に、オーレーン小屋から登っている。少しは山行になるかと思ったのだが甘かった。斜度がそこそこあることからすぐに疲労感でいっぱいとなった。確かにアイゼンを付けているから足は重い。この原因は“二日酔い”そんなはずはない。繰り返し考えていたのだが早々に考えることができなくなった。
 
 とにかく息を整えバディに迷惑を掛けないよう歩みつづけるしかない。通常時間1回程度の休憩が40分に一度となり、稜線につくまで3回も休憩を取ってしまった。稜線で取ることを考えれば1度ですませなければならない。今日下山ができるか否かが気になり始めた。最悪は赤岳の下あたりの小屋泊かと。そう思いつつ歩みを進め少しずつ森林限界が近づく。雪のかかる低木の松が目立ち始めた。休憩は取らず凍ったペットボトルにかすかに残る水を飲みながら稜線向かった。時間にすると20分程になるのだろうか。稜線へ出た。

苦しい思いをしてたどり着いた稜線は“強烈な風と雪”で迎えてくれた。ドラマに出るような地吹雪、数メートルの視界もう稜線で休憩どころではない。山頂へ向かうことに危険を感じた。先行して登ったグループは、山頂を目指さないらしい。しかし我々は一路硫黄岳山頂を目指すことに。

ピッケルが飾りであることを願っていた。しかし使用する可能性を捨てきれない。体感温度はマイナス15℃。
もちものはすべて凍っている。タオルやバッグ、鼻も眉毛もすべてである。そんな中、互いの距離を開けずとにかく進む。途中幾度も距離を開けないように注意を受ける。当然のことなのである。しかし速度についていくことができない。それでも何とか前に進む。

 バディの【アイゼンを信じていきましょう】という言葉にやはり“そんな状況だよな”と思いつつ氷にアイゼンを効かせて一歩々々あゆみを進めた。
 
つづく

 

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