モレスキン 「伝説のノート」活用術~記録・発想・個性を刺激する75の使い方

 お気に入りのステーショナリーグッズは実に気分がよい。モレスキンを使いはじめて2年ほどになる。モレスキンはノートとしては割高である。しかし使い勝手、量などを考慮すると元は十分にとれる。本書はそんな私お気に入り「モレスキー」の活用書だ。

 本書で紹介されている“使い方 その①”などを説明してもお使い出ない方にはあまり価値はないかと思う。しかし“メモ”が重要であることは共通事項ではないだろうか。本書はメモについて梅棹忠夫教授 「発見の手帳」を引用し次のように述べている。
「興味をひいたことを片っ端から書いていくことで毎日の知的活動が紙の上に蓄積され、蓄積された発見はされに新しい発見を生み出してくれます。一見無駄に見える情報を記録しなくてはいけないのは、あとでどんな関連性が見出されるかわからないからです」

記録することにより、クラスターの発見やリレィションの気づきを創出する。失念防止や、単純な記録ではない。メモは知を創造する道具なのだ。著者はこうした“蓄積が価値を生み出す”と強調して論じている。知は“何らかの準備”があって初めて創出される。準備をしていることが大切なのだ。これは“偶然ではない”ということを意味している。“出来る人”の準備は“ここまでやるのか!”と驚かせる。これが秘訣なのだろう。アテネ五輪金メダリスト・野口みずきが“走った距離は裏切らない”という言葉はあまりにも有名である。梅棹忠夫氏の“片っ端から書く”も心は一緒ではないだろうか。

蓄積の価値はネガティブからの脱出にも貢献度が高い。科学的な論拠なので引用する。

「痛手が訪れたときも自分のノートに書き留めます。それが、そうした痛手から立ち直る早道だということが知られているからです。「その科学が成功を決める」という本の中で著者リチャード・ワイズマンは、つらい出来事を他人に打ち明けるよりも、言葉にして書くほうが痛みに耐えやすく、心を癒す効果があるという心理学の研究結果を紹介しています」

“第三者のような視点で書くことで客観化される”その効果を述べている。私それに加えビジュアル化することで問題の根源を見出すことを可能にすると思う。いわゆる“紙に落とす”のファーストステップとも言える。

MOLESKINE モレスキン ルールドノートブック・横罫・ラージ

こうした価値があることを人は知っている。しかし意外に実行している人は少ない。その理由の一つにノートの使い勝手がある。モレスキンは表紙がしっかりとしている。電車で立ったままメモが取れる。実際にそれを可能にするステーショナリーに出会ったことはない。

“実践的メモ”を可能にするグッズである。

 

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