残念な人の思考法  山崎 将志

On 2011年1月25日, in 書評, by admin

残念な人の思考法(日経プレミアシリーズ)

新書コーナーでよく平積みされている一冊である。17版とはずいぶん売れたものだ。来週著者の座談会に出席するので拝読させて頂いた。“仕事が出来る人の視点”と“行動”について具体的に述べた一冊である。

ここからは自分のことを棚にあげて書かなければならない。過日、パネルディスカッションのモデラーを行った。モデラーの一人が環境を考えず良く話す。話の脱線はしばしば、相手が何を求めているかを自己の文脈だけで話すのである。終了後にリスナーと少し話をしたのだが私の懸念していたことを尋ねられた。まさに本書における“残念人の思考法”なのだ。

「高級ホテル、接待向けのレストラン、ブランドショップなどの従業員は、自らがそのサービスを利用する機会がマクロドナルドほど多くはない。一泊5万円のホテルに泊まるゲストが何を求めているのか、接待の席では本当は何がどのように行われているのか、実体験としてわからない」と著者は述べている。

この問題解決は難しい。しかしリッツカールトンのような成功事例もあり解決は十分に可能なのだ。“自己の枠組み”と“周囲の考え方の枠組み”や“価値観”に違いがあることを認識する。認識から推測する。そのうえで考え行動する、こんなところがスタートなのかと思う。

こんなケースにも当てはまる。「飲食業で働いているかたは飲食業を知らない」ということだ。他店をリサーチしたくとも可能な日はライバル店も休日だからだ。それでも時間を作って色々な店へ行っている店舗は顧客数も多い。思考の材料が増えるのだか当然と言えば当然である。こうした行動を取らない人は“残念な人の思考法”と言える。

残念な思考法の人は、どうしたら残念ではなくなるのか。まず“自分もひょっとした残念な思考グループ?”という疑いを自分に持たせることから始める必要がある。その上で改良改善を習慣化させなければならない。実際ずいぶんとチャレンジをしたのだが指導力不足から結果を出せていない。問題なのは本人が習得したと思っていることなのだ。これは視点の変化ができていないことが要因である。そのためには知識を積み上げ、感覚を研ぎ澄ます必要がある。

まずは経営者である自分自身の成長が最も重要ということになる。

 

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