核心  (1/10 日経) レビュー

On 2011年1月24日, in 政治・経済, by admin

 著者は日経・論説委員長 平田育夫氏である。著者は「30年後の日本人を守ろう」と次のような提言をしている。第一に「新興国と同じ土俵で戦わない」第二に「強い分野が存分に力を出せるよう経済の非効率な部分を改める」第三に「経済の命取りになりかねない財政問題に早く正常化のメドをつける」。どれもごく当たりまえ
のような提言である。しかしこうした核心、琴線にふれた提言は数少ない。

「新興国と同じ土俵で戦わない」これは産業構造の転換を指す。いま現在、輸出製造業GDP寄与率は10%に過ぎない。日本総研・三浦氏は「先に経済成長を遂げた新興国から発展が遅れた国に仕事が流れる傾向が強まっている」(2011 日経)と述べている。日本から東アジアや東アジアから南アフリカへという流れが加速しているということだ。その加速の結果今回のチュニジアの内覧へと結びついている。
 こうした考えに基づき20年以上前にアクションを起こすべきだったのだろう。それが起きなかった要因に政治があることは間違いない。“過ぎたるは及ばざるが如し”この状況から我々は何をすべきか。これが第2、3の提言となる。

 “非効率な経済”とはサービス業を指すのだろう。しかしサービス業はあまりにも広い分類である。ここでいうサービスはアカデミックを含めた【知識産業】とその周辺サービスであると考える。英国エコノミスト前編集長 ビル・エモットは「研究開発分野、大学、職業訓練学校も国際競争力をつける必要がる」(日経 1/24)と述べている。これはクリエイティブ・クラスとなり広く通用する人間となることが求められると考える。

 日々メディア発表される政治動向を見て感じることは“あきらかな停滞”である。消費税が“打ち出の小槌”のように言われている。税は上げたが何ら解決されない可能性もある。政治は無力化し、経済は加速的にボーダレス化している。“そのひとつに新興国のインフレは受給バランスでない。金余り減少から起きた一次産品の値上がりである。よって利上げ効果が小さいという見方も出ている”政治ではないが中央銀行の力が落ちている現れでもある。
大田弘子前大臣が経済財政諮問会議を無くしたことを非常に懸念されていたことを思い出す。その重要性は明らかだった。民主党は戦略室と名称変更し深みを増すということを述べていた。しかしいまとなってはその存在すら危ぶまれる。た閉塞状況を20年以上にわたり見てきた。唯一変化が見られたのは小泉内閣だけであったように思う。“かんぽの宿問題”では“現状とそれだけ乖離がある資産未だ持ちつづけたこと”ではないか。毎期の赤字を放棄していたことである。その後どのような解決がなされたのだろうか。

政治と距離を持つ一般個人ができることは、政策や景気動向に左右されない文脈を有することなのだ。
 ボーダレス化が強まれば国力より個人力である。採用も出身国は問わないということが当たり前になるだろう。経済や企業経営に取り国家という概念が一層薄れていく可能性も否めない。SONYも採用方向をよりグローバル化した。こうしたことは自分なりに整理し行動方針を定めなければならない。もうニュートラルではいられない。

 

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