2011年日本経済 ―ソブリン恐慌の年になる!

著者の一人である高橋氏は毎年12月頃、この手の来年を予測するする著書が出版される。かれこれ10年以上は読みつづけている。著者はどちらかと言えば現実に即し楽観的な発言は他者にまかせているようである。本年も副題の思考で論じている。

景気がどうなるかなど考えても仕方がないと思っている。しかし明らかな事実は情報や知識として押さえておく必要がある。また傾向や流れをつかんでおくことは経営者、社会人として義務だと感じている。

さてこうした思いの中本書を紐解くと【国家破綻前の危機的状況】と論じている。センセーショナルな発言ではあるが説得力があると私は思う。
対GDPに対する国債発行額がギリシャを超えているが“日本は国内預金でまかなっているので問題ない”という発言がよくある。しかし社会保障など潜在的債務が加速的に増加することは明らかである。消費税により問題解決可能と言うが、これだけ政治にまとまりがない状態では困難であることは明らかである。対外との脆弱な関係は今後更に危機感を強めるだろう。こうしたことを踏まえると明らかに【国家破綻前の危機的状況】なのである。

しかし企業は【人材獲得のチャンス】である。低成長はすでに20年。比較対象時期を見直しUカーブを描くための底力を育む時代ではないかと思う。【人材獲得 → 育成→ 成長】というプロセスを描き低成長ではある。しかし【底堅い成長企業】が生き残りの方法ではないかと思う。

社内能力は決算書の数値には現れない。結果として金融機関からの評価には時間を要する。この点は十分に踏まえる必要がある。また人材を見極める目利き力も必要であろう。経営者はこうした自力を身に付ける必要があるのは言うまでもない。実績を伴った経営者多くが【人材】の重要性を説く。

こうしたことを踏まえると、景気動向でなくどんな環境下でも付加価値を生み出す【人】を育てることが大切だと思えてくる。そうしたなかで小規模企業では【経営者自らの成長】が占める割合は高い。自らの成長なくして企業が成長するはないのではないか

本書は年末に読んだ一冊である。年初にかけ景気動向に関する著書をもう少し読みこなしたいと思っている。

 

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