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田原総一朗責任編集 2時間でいまがわかる! 絶対こうなる!日本経済

ファシリテーター田原総一朗、榊原英資、竹中平蔵対談をまとめた一冊である。日頃の対談などを聞くとぶつかりあっている印象を受けるが、根底の問題意識や危機感は一致しており、解決手法が違うだけのように思う。

両氏共通の問題意識に昨日も取上げた郵政問題があげられていた。私自身はひとつの問題意識として、総選挙まで行って決定した事項を国民新党の強い意向で民主党の考え方を変更するのは如何なものかと思っている。(国民新党は2010年参議院選挙にて比例得票率1.71%に過ぎない)しかし両名は違った角度から問題を論じていた。

竹中『…アメリカは郵政問題で日本をWTOに提訴すると、私は思います。キーワードは「内国民待遇」違反。内国民待遇はWTOの基本原則の一つで「自国の領域内で、自国民に対するのと同じ待遇を相手の国の国民に対しても与えること」です….郵政が保険分野にどんどん出てくるでしょう。ところが、これは親方日の丸じゃないかと。親方日の丸の会社とアメリカの会社では対等な競争にならないから、WTOに提訴するという話になる』

実際にどうなのかを調べてみるとすでに『アメリカ大使館HP』にてEUを含め懸念が表明されていた。

求められるのは“現在と未来を兼ね備えた思考”だと考える。温暖化問題と同様に現在経済と将来の地球の塩梅をとりながら考え行動しなければならない。こうした当たり前の事が幾分壊れているように感じる。さらには過去の成功モデルが崩れているということだ。

戦後成功モデルには自動車産業があげられる。しかし榊原は次のように述べている。

『僕は、自動車の時代は終わったと思います。…電気自動車では前に話した「同社産業モジュール化」が急速に進みます。すると産業構造が大きく変わらざるを得ない。自動車は20世紀後半の産業構造の中心だったけれども、今後は衰退産業になっていく』

こうなると“成功経験”が既成概念を創りイノベーションを起こしにくくする。まさにクリエティブクラスが求められる時代となるのだと思う。しかし最も問題なのは自動車のような“時代を牽引する産業・広く技術開発を可能とする産業”の目が無いことだ。過去の蓄積で生きいくのも限界に来ているように思う。本書ではユニクロや農業などを取り上げているが本音とは思えない。

本書で“絶対こうなる”と断定されているのは、消費税の増税が必要なこと、国債発行の猶予期間はあまりないことなどである。

“成長の可能性はあるがこのままではダメだ”というのが本書の結論ではないか。
楽に読めるが奥は不快と思う。

 

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