【鹿島槍断念】

山渓8月号に、星空の写真が掲載されておりとても印象深かった。発売の直後星空を期待し、甲武士岳山行を試みた。残念ながらテント場は木立の中で見ることができなかった。今回こそ期待を寄せ10時を少し回った頃、煙草を吸いがてらテントの外へ出た。残念ながら満点とはいかなかったが、汚れのない澄み切った空気は心が洗われるようだった。月の光はとても明るくやさしく包み込む。やはり来て良かったと心から思えるひとときである。

時には起きることから、早々にテントに戻りひと眠りした。次に目を覚ましたのは雨の音である。布2枚を通じて吹きつけてくる風と雨の音は身構えざるお得ない。うとうとしながら朝を迎えるが一向に止む気配はない。今回の山行はもともと私の技量では厳しいことが予測されている。

冷池山荘→布引岳  1:20
布引岳→鹿島槍ヶ岳(南峰) 0:50
鹿島槍ヶ岳(南峰)→(北峰)→(南峰) 1:00
鹿島槍ヶ岳(南峰)→布引岳  0:45
布引岳→冷池山荘 0:50
(テントをたたんで下山)
冷池山荘→赤岩尾根分岐  0:15
赤岩尾根分岐→高千穂平 1:30
高千穂平→西俣出合 2:00
西俣出合→大谷原 PM2:30着

休憩を含まず9時間に近い山行に雨の負担が危険を伴うのは明らかだった。また高千穂平は、急斜面なガラ場らしい。下山にはリスクを伴う。結果として鹿島槍ヶ岳は断念せざるお得なかった。残念な反面ほっとしている自分がそこにいたことは淋しい限りである。
7時頃から昨日の経路を下山し始めた。まず爺ヶ岳(南峰)へ向かう。雨の中ということに限らずなんとなく体が重い。気にすると良くないのでとにかくひたすら歩くことに集中する。山頂についたころは霧雨となり徐々に気にならない程度になってきた。

種池山荘で軽く行動食を取り柏原新道を下山する。しばらくすると右足親指に違和感を覚える。靴がどうも合ってない。結果として我慢しながら下山する。途中の石畳は足元が不安定でそうとうゆっくりのペースとなってしまった。後ろから抜かれ後塵を拝すこととなる。かなり予定オーバーの下山となった。トレーニングと山行を重ねる他解決方法は無いように思う。気が焦るばかりである。

無事に事なきを得たので言えることだが、土と緑と雨は山全体の匂いに変化を持たせまた気分が良い。温泉で疲れを癒し帰路へついた。
帰りのあずさで読みかけの文庫を一気に読んだ。こうして運動をしながら思考することの大切さについて述べている。さすがに山行中にあまり思考することはできないが、披露ですっきりしているこんな状態も良いのではという思いに至った。

 次回は八ヶ岳単独山行を予定している。

 

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