ライフスタイル  トレーニング

On 2012年1月16日, in life Style, by admin

仕事に効く 脳を鍛える 新しいランニング (日経BPムック)

昨年11月中旬から時間が取りきれず山とはご無沙汰になっている。また自転車も峠の凍結が怖くちょっと休んでいる。こんなときはランニングが気分転換にとても良い。もう2年以上走っているが、昨年の夏から体力増強を目指し距離を伸ばした。当初は膝や腰に負担がかかったらしく苦痛なときもあった。コンドロイチンを飲みながら日々だましだまし走ったところ最近は痛みも治まった。

私の周りにはずいぶんとランニングをしている知人や友人が多い。Facebookで見る限り相当の数がいる。ご紹介した雑誌には『なぜ経営者たちは走り始めたのか』『心を癒しビジネス脳も活性化』との特集が組まれている。ここでは巻頭で『僧侶は言う。走ることは、禅を組み、瞑想の世界に身を置くことに等しい。脳科学者は言う。歩みを止め走りだすと、人の脳は、考える時に使う部分を使い始める。経営者は言う。走るとすべてが効率化する。思考が健全化する』と紹介している。

どうやら良いことだらけだ。アウトドアで遊ぶためには体力が求められる。走り始めてからの山行は以前と比べるとずいぶんと楽になり、体重にも変化が見られるようになった。
トレーニングは一定の年令を超えたとき、鍛錬をするものだけの喜びをあたえてくれる。

ランニングは習慣化したので今日からスポーツクラブに復活する予定だ。時間に限りもあり、当面は筋トレ重視するつもりだ

 

  

よくあるテーマだが企業のトップがどんなライフスタイルかには興味がある。企業内競争を勝ち抜いた経営者に興味は尽きない。年収1億マン『オキテ』として次の8つを上げている。

1)  誰とどのくらい会っているかを把握しているか
2)  人から勧められたことを、すぐに試す素直さがあるか
3)  常に『仕入れ』を怠らない高い成長意欲があるか
4)  自分の強みでなく相手の評価軸を知っているか
5)  戦略とは捨てると同義語であることを知っているか
6)  何もしない空白の1日を意識的に設けているか
7)  人は『偶然』でなりたっていることを知っているか
8)  お金は体験を買うためにあることを知っているか

とあげている。やっている人にとっては『あたりまえ』のことなのだと思う。また評価軸が難しいだろうなとも感じる。これらの軸で、ここで述べていることは広い読者層の誰が読んでも『そうだな』と思える視点。しかし上位1%の人も以外と『そうだな・まだまだだな』と感じていることがある。1%の人はより厳しい自己の評価軸を持っているのだと思う。

世界三大投資家『ジム・ロジャース』はつぎのように述べている。

『…実際、友人の中にも勉強はできたのですが、何事もすぐにあきらめてしまう人がいます。私は、元来、それほど優秀ではなかったので、彼らよりも懸命に努力したのです。優秀だったはずの友人は、やるべきことを途中で投げ出してしまい、結果、成功を治めることができませんでした。成功のためには何よりも『忍耐』と『ねばり強さ』が重要なのです。私は決して前に進むことをやめなかった。これだけは確かなことです』

高い完成度には “忍耐・ねばり強さ”が必要なことはあきらかだ。完成度は自己の評価軸を指す。この8つのオキテを旨に日々邁進したいと思う。

 

日中国交正常化 – 田中角栄、大平正芳、官僚たちの挑戦 (中公新書)

中国との関係が良い関係かと問われば、そうは感じられない。だが第二次大戦後に台湾と国交を結んだ日本は中国との国交が無かったのである。本書は台湾、尖閣、戦後補償問題を解決し、国交が結ばれるまでの現代史を記したものである。

当時の中国はソ連との関係が悪化しており米国や日本と国交を結ぶ必要があった。そのようなことから、米国はウオータゲート事件で2年後に辞任することとなるニクソン大統領が中国を訪問している。日本はというと台湾との関係から、中国との国交には数多くの反論があった。国内の木は熟していないが、時の総理大臣田中角栄は中国との国交を条件に大平、中曽根、三木らから党首選の応援を受けていた。本書からはまずこのような史実が確認できる。さらに当時の状況について次のように語っている。

『官房副長官だった後藤田正春は“党内の意見調整もまだ不十分なまま、総理と外務大臣の大平正芳さんと二階堂さんが訪中した。わたしは留守番役だったが、それはまさに政治生命をかけた総理の決断だった。と論じる。橋本恕も、”右翼による襲撃の危険をもかえりみず、訪中したのである。中国にも日中戦争のため愛する家族を失った多勢の人々が、田中総理を襲撃する恐れもあった。文字どおり命がけの訪中であった』とある。大平外務大臣が遺言を認めての訪中だったとのことである。

こうしたなかでの国交を可能にしたのは相互の政治家がもつ権力に寄与するところが多い。田中角栄は訪中前に次のように語っている。

『第一世代というのはどこでもそうだけれども、やっぱりそれなりのリーダーシップ、指導力を持っている。第二世代、第三世代になると、その辺の力は衰えてくるものだ。第一世代が健在なうちに、こういう難しい問題は解決しなきゃいけない。こっちは最も力が強いうちにやらなきゃいけない』

中期的視点ではまさにこのタイミングがベストだったのだろう。歴史的転換点とも言える日中国交正常化だが、それはまさに命がけであった。

本書は膨大な調査やインタビューから論じられ数々の賞を受賞している。明治維新や戦後史を読むと当時の政治家や官僚の凄さを感じてならない。我々がやらなければならないのは緩い政治を批判することでなく、自己のなかで何ができるかを考え、実行することなのだと思う。勉強になる一冊だった。

 

ケインズとハイエク―貨幣と市場への問い (講談社現代新書)

毎年、年末は来年の経済予測の類の本を数冊買っては読んでいた。何年も続けていたのだが忘れてしまうことやほかに読みたいものが多数あったので今年は辞めてみた。そんなかの一冊が本書だ。きっかけは昨年から日経『やさしい経済学』にケインズ、ハイエクなど経済学理論の解説がなされていることにある。

二人の考え方と違いと自らの考え方について次のように著者は述べている。

『彼らは(ハイエクとケインズ)は市場を不均衡か均衡ではなく、人々が貨幣を余計に保有したり(=不況)手放し過ぎたり(=バブル)する過程として描こうとしている。ハイエクはそれを銀行による不要な信用拡張や予想を調整するために行なうコミュニケーションの結果だと考え、ケインズは投機が引き起こす人々の不安や慢心に由来すると考えた。本書では貨幣保有状況や人々の間のコミュニケーションが、市場経済を高揚も落胆もさせるのだと考える』

国内経済は20年に渡って冷え込み未だ晴れ間すら見えない。EUも米国も混沌としている。すべてに共通するのは“政治問題”である。二人の対策は中央銀行が強く関与する。中央銀行と政治の距離は極めて近い。このようなことから時の政権がハイエク型かケインズ型かによって中央銀行の金融政策は左右するのだと思う。

ケインズ型は社会主義に近い。公共事業投資など政治にとって行いやすい理論だ。公共投資によって景気を扶養させることが困難であることは数多くの経済学者が論じている。米国ではレーガン、ブッシュ(親子)、イギリスではサッチャー、日本では小泉首相がハイエク型政策に近い。しかしいずれも政権が変わるとまるでオセロのように政策が変わっていく。ブッシュ(父)一期であるが、それを除けば共通するのは『選挙に強い』ことだ。

また米国、EU、日本のどの国も財政赤字を抱えている。それでも債権を発行し財政政策を行おうとしている。過日日銀の方とお話をする機会があったのだが『手放す』ことの重要性を話されていた。まるで選挙に弱い政権が自らの政党を助くるために公共投資をするそんな風にも見える。

実に学びの多い一冊であった。本来リベラルアーツの必修科目なのである。しかしながら恥ずかしいことに原典を読んでいない。本書のような比較的わかりやすいものを少し読み込んでから挑戦しようかと思う。

 

戦略経営論

 通読するのは2回目。より理解するため、いまレポートにまとめている最中です。

本書はスタンフォード大学・ビジネス・スクールの講義ノート集大成である。戦略論の類は数多く出版されているがさまざまな理論が網羅されているものは少ない。著名な戦略論が網羅されていることにある。本書をもとに学ぶことで基本的な戦略論を習得することができる。本書から学ぼうと思った理由について述べていきたいと思う。

 中小企業経営に戦略論は必要不可欠だと思っている。その理由は大企業であれば立てた戦略を実践するには多くの『人』という変数が絡む。またステークホルダーも多い。しかし中小企業は至ってシンプルだ。立てた戦略をストーリーだて描写化する。ストーリーに関係するのはほんのわずかな人数だ。何かの都合でできなくても修正変更は容易である。このような考えから再読しレポートを試みている次第だ。しかし500ページ以上の量は戦いに近い。当月中を目指して行なっているがかなり危うい状況ではある。

 訳者は“戦略的経営の鍵は『戦略的思考』であり、フレームワークやコンセプトはそのためにツールである”と述べている。戦略的思考は問題の背景や現状認識を徹底して行なうことから始まると言ってもよい。実は“現状認識”が意外と難しい。その理由は“バイアス”にある。脳は知識と知恵と感情によって構成されるといってもよい。感情がバイアスとなり正確な認識を拒むことがある。それでは戦略を立ててもうまくいくはずはない。このあたりの問題解決にはフレームワークを活用することも一つの方法だ。

 今年は戦略論・組織論・マーケティングの3つを月単位で復習する予定だ。春までには基礎を学び直し次のステップへ踏み出したいと思っている。このあたりのこともブログで綴っていく予定です。

 

新年のご挨拶

On 2012年1月5日, in life Style, by admin

新年あけましておめでとうございます。
皆様方のご健勝を心よりお喜び申し上げます。

私は昨年末から正月の間、目標設定と達成のためのストーリーを考え続けました。経営に関する課題は社員をはじめとしたステークホルダーの協力を得なければ達成することはできません。この課題が最も難しい課題となります。それと比較すれば個人の目標は自分との戦いです。変数が思考や感情であれば思いが強ければできないことはないと捉えざるを経ません。しかしそれができずにもがいているのですが現状です。そのようなことから、ことしは“自己管理”を自らの課題としたいと思います。
 
本年もよろしくお願い申し上げます。

                              藤田 信之